腊八

旧暦の腊月（12月のこと）8日は、お釈迦様の万道日であった。仏教徒は托鉢に出てもらった果物や米をおかゆにして、仏陀を供養することになった。そのおかゆを「腊八粥」と呼ばれる。残ったお粥を近所の人にあげるのは「腊八贈り」といわれる。腊八粥は唐小豆、干しナツメ、栗のみ、胡桃、ピーナッツ、クアズ（瓜類の種。特にスイカやカボチャの種に塩を加えて炒めたものをさす。）、ギンナン、もち米に砂糖を加えて煮込んだものである。甘さと柔しさと香りのよさと相まって、美味しいし、栄養も富んでいる。腊八に腊八粥を近所の人々にあげるお寺もあるが、民間にはそのいわれを覚える人もなくなり、ただ腊八粥食べという習慣だけが今まで残っている。